TOEIC Part4と言えば、電話のメッセージや、会議での上司の発言など、1人の話者によるナレーションを聞くPartです。
リスニングの最後のPartとだけあって、集中力も切れやすく、苦手意識のある人が多いはずです。
他のパートとの兼ね合いもありますが、例えばTOEIC 700点を目指すのであれば、30問中21~23問、600点だと18~21問、500点だと半数の15問くらい正解しておきたいところです。
ここでは、TOEIC 500-600点台でTOEIC Part4に苦手意識のある方のために、聴解力を高めるための3つの勉強法をご紹介いたします。
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TOEIC Part4をどのように解いていますか?
TOEIC Part4のナレーションを聞いたとき、 TOEIC 500-600点のレベルの方は、ストーリーを推測することで必要な正答数に届いていたかもしれません。
たとえ音声の意味が分からなかったとしても、聞こえてきた単語と単語を繋ぎ合わせ、ストーリーを組み立てることができるレベルに達しているためです。
しかし、TOEIC Part4の正答数を上げたい場合、そのようなやり方はもはや通用しません。
では、TOEIC 500-600点台の方が、単語の拾い聞きを卒業し、音声を理解していくためにはどのような勉強をすればよいのでしょうか。
大きく分けて、次の3つの勉強法を意識して取り組んでいけば、聴解力が身についてくるにちがいありません。
勉強法①:音声変化に対応できるよう音読しよう!
これは、TOEIC Part 4に限らず、リスニング全般について言えることです。
音声変化とは?
まず、音声変化とは、以下のようなことを示す言葉です。
- 連結:Come onが「カム・オン」ではなく「カモン」のようになる、など
- 脱落:Good byeが「グッド・バイ」ではなく「グッバイ」のようになる、など
勉強法のポイント:忠実にマネして音読
そして、人間は知らない音を聞き取ることはできません。
例えば、「not at all」は「ナレロウ」というように発音されますが、これを「ノット・アット・オール」と読んでいるうちは、いつまで経っても「not at all」を聞き取れるようにはなりません。
つまり、音声を忠実にマネして音読することが、音声変化に対応するための勉強法になります。
私はギターを弾くようになってから、CDを聴いたときにギターの音をはっきりと聞き取れるようになりました。
楽器をされている方で、同様の経験をされた方も多いのではないでしょうか。「自分で再現できない音は、聞き取れない!」というのは真理だと思います。
勉強法②:単語の反応速度を高めてスピードに慣れよう!
TOEIC Part4で脳内オーバーフロー?
意味の理解が音声のスピードに追い付かず、脳がオーバーフロー (未処理の情報で溢れること) を起すことがあります。
例えば、「This is an apple」と聞くと、瞬時に「これはリンゴです」という意味であることが分かりますよね。
これが、情報処理のスピードが勝っている「情報処理 > 音声スピード」の状態です。
しかし、実力以上の複雑な文や難しい語彙が出てきた際は、情報処理のスピードが劣る「情報処理 < 音声スピード」の状態となります。
これが「音声についていけない」という状況です。特にTOEIC Part 4では、120-150語程度の英語が一息に読まれますので、音声についていけなくなった場合、そこから体制を整えることは容易ではありません。
勉強法のポイント:瞬時に意味を引き出す練習
そういう方にまず取り組んでいただきたいのは、単語の反応速度を高めることです。
例えば、意味が分かるまでに3秒かかる単語がリスニングで使われていた場合、その時点で途端に脳がオーバーフローしてしまいます。
そのような事態を防ぐために、単語の発音を聞いて、瞬時に意味を引き出す練習をしましょう。
「キクタン TOEIC® L&R テスト SCORE 800/600」(一杉 武史、アルク)などは、音楽のリズムに合わせて単語の発音と意味を覚えられる教材なので、役に立つのではないでしょうか。
勉強法③:次の展開を予測しながら能動的に聞こう!
受動的に問題を聞いていませんか?
TOEIC 500-600点をなかなか脱出できない方の特徴として、「受動的な」聞き方しかできていないことが考えられます。
「受動的な」聞き方とはどういうことを説明します。
例えば、話者が「If you need any more information」と言うと、その次は「電話で私に連絡してください」や「ウェブページを訪れてください」など、情報を手に入れる手段が述べられるはずですよね。
TOEIC上位者はそのように次の語句や展開を予想しながら音声を聞いているのです。
一方、TOEICのリスニングセクションが苦手な人は、予測に基づいた聞き方ができていない可能性があります。
勉強法のポイント:同じ音声を反復練習
では、どのような勉強をすればよいのでしょうか。TOEIC上位者は、多くの英文やストーリー展開を記憶しているからこそ、「能動的な」聞き方ができます。
そのような状態になるためには、「同じ音声を繰り返し聞く練習」が極めて重要です。問題を覚えるぞ!という気概で取り組んでください。
次第に、どんな音声であっても「どこかで聞いたことがあるな」と思えるようになってきます。
事実、私たちが日本語を聞いているときを想像してください。おそらく、「今の発言はこれまでに全く聞いたことがないパターンだな…」と思うことはほとんどないはずです。
英語についてもそのような境地になるために、何度も同じ音声を聞き、自分でも音読していきましょう。5周するまでは次の問題に行く必要はありません!
なぜこの勉強法を紹介しているのか?
なぜTOEIC Part4の練習としてこの方法を紹介しているのか。
それはTOEIC Part4は話者が1人だけで、パターンがかなり限定されているからです。
私はこれまでに50セット(10000問)以上の問題をこなしてきましたが、もう初耳のパターンに出会うことはありません。
「次はこういう語句や文が来るな」と思ったときは、だいたいその通りになりますし、「あ~、また『ホテル予約の不備→謝罪→代替案と割引』っていう展開か」などと思いながら、問題を解いています。
つまり、TOEIC Part 4は予測が極めて重要になってくるPartであり、予測しながら聞くことが最大の攻略法なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。TOEIC Part4が伸び悩んでいる方は、「確かに」とうなずける内容も多かったのでないでしょうか。
もともと帰国子女などで英語のリスニングに慣れている方を除いて、英語を聞き取るには耳を慣らす必要があります。
音声を聞き取った後、それを理解する速度もTOEICには求められています。
今回ご紹介した勉強法を試し、ぜひTOEIC Part4嫌いを克服してくださいね。