エンジニアとして仕事をする場合、英語力について問われることがあります。
就職・転職の求人内容や企業の昇級時に「TOEIC 〇〇点以上」という文言が目立ってきており、気づいておられる方も多いと思います。
日本人だけの職場環境でエンジニアとして仕事をする場合は、もちろん英語力が無くても問題なく仕事をすることができるでしょう。
しかし、そうはいかない時代になってきており、英語力が必要不可欠・重要視されてきています。それはなぜなのでしょうか、順に見ていきましょう。
日本の技術だけでは成り立たない現実
エンジニアとして仕事をする場合、英語力が必須と言っても過言ではありません。その代表的な理由を3つご紹介いたします。
市場は海外にある
IT業界は、インターネットを介して提供しているサービスがほとんどです。国境を超えて様々な人にサービスを提供する業界です。また、製造業界などでも、人件費の安い海外に工場を移設したり、海外の安い部品を搭載して材料費を削減しています。今やどの業界でも海外との関りが深くなってきています。
企業の動向としては、最近ではメルカリがアメリカを中心に進出し始めていたりします。また、楽天は社内公用語を英語としています。世界に向けてサービスを提供したり製品を出荷した方が、利用者、顧客を多く獲得できるからです。
つまり、企業の更なる成長を考えた場合、多くの企業は「海外展開」を今後の企業成長プラン(中長期計画)に組み込んでいます。
海外へ進出するには、英語を使える人材が必ず必要となります。業界・企業動向からも、海外との結びつきが色濃くなってきていることが分かると思います。
技術の最先端は英語圏
技術は日進月歩、エンジニアにとって必須となる技術も日々進歩しています。昨日掲載された技術情報が、1年後には標準技術となっている可能性もあります。標準技術となる前に学んでおけば、多くのチャンスに出会い、獲得できるでしょう。
標準となった技術を学ぶだけなら、日本語の書籍やウェブサイトに掲載されている情報を追うだけでも問題ないと思います。しかし、最新の技術情報は今も英語圏にあり、日本語に翻訳されない場合がほとんどです。標準となる前に最新技術を学ぶためには、専門的な文章を理解できるだけの英語力が必要になります。
職場環境の変化
海外のエンジニアと協業
最初は日本人だけのグループで仕事をしていたとしても、突然海外の企業へ業務の一部を委託する場合があります。人件費を考えた場合や、部品を含む材料費を考えると、安い方を選択するのが利益を確保できるためです。
このような時に柔軟性を持って仕事ができるのは、英語力のある人材であることは言うまでもありません。実際に海外へ出張する場合もありますし、メールや電話会議などを行って、情報の共有や交渉などを行うことになるでしょう。
外国人労働者の増加
ご存じの通り、日本は少子高齢化社会です。日本の経済を支える現役世代が減少の一途をたどる一方、現役世代の1人当たりが支えなければならない高齢者は年々増加します。破綻するのも時間の問題です。
この問題を解消するため、外国人の労働力を多く取り入れる企業が今後も増えるでしょう。つまり、日本の従業員だけだった職場でも、外国人が同じ職場に転職してくる、又は上司としてやってくる可能性が非常に高くなります。職場でのコミュニケーションを図るためにも、英語力が必要となります。
エンジニアで英語力があるメリット
上記ではエンジニアに英語が必要である代表的な理由を紹介しました。しかし、英語力の向上は1日や2日でできるものではありません。相応の努力が必要であり、時間やお金がかかります。
そこで、エンジニアで英語力があった場合、どのようなメリットがあるかを3つご紹介いたします。少しでもモチベーション向上につながれば幸いです。
最新の技術情報収集に役立つ
技術の最先端が英語圏であることは、上記でも説明しました。皆さんが良く利用する検索サイトやSNSなども、英語圏の米国企業ですよね。
実際に、技術者や研究者が世界中のエンジニアに向けて情報を発信する場合、最初に選ぶ言語は英語になるでしょう。世界共通語ともいわれるほど影響力のある言語ですので、英語で発信した方がより多くの人に発信できるからです。
エンジニアにとって常に最新技術情報(技術動向)をキャッチすること、新しい技術を身につけること(スキルアップ)は必須です。企業が求める人材にも合致するため、キャリアアップにも役立ちます。
不具合対処に役立つ
エンジニアやプログラマーであれば不可解な不具合に遭遇した経験があると思います。ソースコードや回路図を見ても問題はなく、特定条件下で発生する不具合は解決するのにかなりの時間を要します。日本人で似たような現象に直面し、解決したことがあればインターネット上のフォーラムなどで解決策を見つけることができるかもしれません。
しかし、不可解な不具合に遭遇するのは日本人だけではありません。世界中にエンジニアが存在し、日夜あらゆる業務をこなしています。単純に考えれば1.2億人程度の日本人と世界の人口65億人とを比べれば、どちらの方が情報量多いかは一目瞭然です。
世界共通語である英語の記事で、「この問題をこのように解決した」という掲載があれば、解決する方法の発見や時間短縮にもつながります。最近ではエンジニア同士が交流する場も設けられているため、活用次第では不具合対処以外にもメリットがあります。
社内で重要なポジションに立てる
外国とのやり取りをする企業であれば、英語力があると社内の地位は格段に上がります。費用面から考えても通訳の人をつけなくていいですし、自然と重要なポジションを任されるようになるでしょう。企業としても貴重な人材は手放したくないはずです。つまり、昇進や昇給の可能性が高くなるメリットがあります。
どのぐらいの英語力が必要なのか
ここまで、エンジニアに英語力が必要な理由は伝わったと思うのですが、実際にどのぐらいの英語力が必要なのか、気になるところではないでしょうか。さっそく見ていきましょう。
最低限必要な英語力のレベル
ずばり、英語検定試験3級(英検3級)レベル、TOEICであれば450点ぐらいの英語力が必要です。基本的な英文の読み書きや会話には、中学卒業レベルの文法と単語が必要になると言われています。
交渉や会議、日常会話などはできませんが、辞書を片手に英語の記事を覗いて技術内容の理解はできるでしょう。
専門分野の単語力
自分が従事している専門分野に関する英単語を覚えておく必要があります。一般的な日本語訳とは異なり、それを覚えていないと技術内容を理解することはできません。例えば、電気系であれば「Blood(血)」が「電流」を意味していたりします。このような単語が各分野に存在しますので、調べてみるだけでも今後に役立つかもしれません。
最近のオンライン辞書では、専門分野の訳も記載されていることがありますが、マイナーな単語は訳されていなかったりします。専門分野の単語の意味を知らないままでは、技術内容を理解することは困難を極めるでしょう。
英語力を上げる効率的な勉強法
社会人になると、仕事をしながら勉強時間を確保するのがどれほど難しいことか痛感されている方も多いと思います。通勤や平日の隙間時間、又は週末のリフレッシュ時間を割くしかありません。少しの時間で効果を上げるには、どのような勉強法があるのでしょうか。ここでは2つご紹介させていただきます。
無料コンテンツを活用する
インターネット上には、英語力を高める無料コンテンツが無数にあります。YouTubeに投稿されている動画や、海外のBBCという機関が発信している時事ニュース、海外の広告など、自分の興味のあるジャンルのコンテンツを簡単に見つけることができます。
どれもスマートフォンひとつで、且つ数分~数十分あれば閲覧できるコンテンツです。隙間時間を有効に利用し、自分に合ったコンテンツ・サイトで勉強できます。コンテンツの豊富さや無料ということもあり、私のお勧め勉強法です。
オンラインスクールを利用する
無料コンテンツの場合は自分の意思で勉強を継続する必要があり、なかなか難しいものがあるかもしれません。そこで少し強制力を持たせるため、英語の学習スクールに入会するという方法があります。とはいえ、COVID-19(武漢肺炎)のこともありますし、通うために時間を割くのは勿体ないですよね。そうお考えの方には、オンラインスクールの利用をお勧めします。
オンラインスクールの特徴や勉強法については、以下に纏めていますので、是非ご覧になってください。英会話スクールですが、TOEIC対策などの文法を学ぶことも十分可能です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事ではエンジニアに英語力が必要な理由、英語力を身に着けるメリット、身に着けるための勉強法について紹介いたしました。
技術的な内容を英語で理解できるようになるまでは、かなりの時間が必要です。一方で、最近では中国語で情報発信される場合が増えてきていますので、今後は企業側も英語と中国語を習得している人材を求めるようになると思います。そうなると、日本語だけでエンジニアを続けることは困難になることが予想されます。
少しでも早く英語の必要性を認識し、勉強を始めて可能性を広げてみてはいかがでしょうか。